アメリカのブロックチェーン系スタートアップ「Circle(サークル)」が、アメリカの仮想通貨取引所大手「Poloniex(ポロニエックス)」を約430億円で買収したニュースが2018年2月26日夜(日本時間)発表されました。(公式リリース:Circleブログ、Poloniexブログ)
Poloniexは、多種類のアルトコインを扱う大手の取引所だったため、日本人にも馴染みがある仮想通貨取引所でしたので、詳細説明は割愛しますがCircleについては知らない方も多いと思うので情報を整理して紹介したいと思います。
今回の買収ニュースが流れるやいなや、ビットコインの価格も一時的に急上昇。以下のチャートで、ニュースが発表された2018年2月26日21:30に急騰していることがわかります。市場は好材料と捉えました。
目次
アメリカの仮想通貨取引所大手「Poloniex(ポロニエックス)」
公式サイト:https://poloniex.com/
- 2014年1月に設立されたアメリカの大手仮想通貨取引所
- 多数のアルトコインを取り扱っている点が特徴
- 取引量が10億ドルに達した最初の取引所
- 昨年途中まで最大手の取引所だったけど、Binance、Bittrexの台頭により存在感は最近弱めの傾向
アメリカのブロックチェーン系スタートアップ「Circle(サークル)」
公式サイト:https://www.circle.com/jp/
- 2013年10月設立のアメリカ、ボストンに本社を置くブロックチェーンのスタートアップ企業
- 主要サービスは、ブロックチェーン技術を活用した法定通貨(ドル、ユーロなど)のP2Pモバイル決済サービス「Circle Pay」を展開
- 仮想通貨の取引アプリ「Circle Invest」を2018年中にリリース予定
- ゴールドマンサックス、中国のバイドゥ、など大手企業の出資で資金調達
- 2015年9月に、ニューヨーク州金融局から発行された仮想通貨事業の認証BitLicenseを取得した最初のスタートアップ
1つ目に、ゴールドマンサックス、バイドゥ、など世界的な大手企業が出資していること。
出典:https://www.circle.com/jp/about
2つ目に、ニューヨーク州金融局から仮想通貨事業の認証を得ているということ。
つまり、公的に認められた企業であるCircleがPoloniexを買収したことにより、Poloniexの今後にこれまでにはない信頼感、期待感が加わったということ。当然、Poloniexのサービス拡大だけでなく、Circleのメインサービスの方にもPoloniexのノウハウや技術が生かされて双方に良いメリットを起こすことが期待できます。
今回のCircleによるPoloniex買収で期待されること
Circle公式ブログでの発表では、主に以下の効果を期待されています。
- Poloniexのカスタマーサポート、技術面、プラットフォームの強化
- Poloniexの拡大、取り扱いトークンの増加、ドルやユーロなどの法定通貨の導入
- 将来的には、Poloniexプラットフォームを成長させて、仮想通貨同士の取引だけでなく、「価値をもつあらゆるものを扱う分散型マーケットプレイス」を目指す(現物、資金調達、株式、不動産、芸術作品、音楽・文学作品、サービス・リース、時間ベースのレンタル、クレジットなどのクリエイティブ制作物、先物、などを扱うとのこと)
おわりに
世界中に仮想通貨取引所はたくさんありますが、日本も2017年に国の規制が入り仮想通貨取引業社が登録制になったばかりです。日本でも昨年まではルールが未整備の状態。
世界中でルール整備が始まったばかりの現状で、しっかりした運営ができている取引所はごくわずかです。コインチェック事件しかり。
投資家が安心して取引所で取引ができるようになることは良い流れでしょう。
もちろん、カウンターパーティーリスクがゼロになるわけではないので、取引所に仮想通貨を預けるリスクも把握しつつ引き続きつきあっていく必要はあります。
今後も、実績のある大手企業による、仮想通貨取引所(しっかりした運営ができていないけど取引高や影響の大きい取引所など)の買収は続いていくのではないかと思われます。
・参考
https://en.wikipedia.org/wiki/Circle_(company)
http://fortune.com/2018/02/26/circle-cryptocurrency-trade-bitcoin/